ぴたぱんです、この度、卒業に必要な単位をそろえたので(おそらく)卒業できることになりました!めでたい!
1年以上放置していた前回の記事の続きを書きます。ごく短い感想程度しか書けませんが、備忘録として。
本記事では、2022年度にとった9科目28単位について書きます。
- 民法第4部(4単位)by kgyせんせ
- 会計学(2単位) by situせんせ
- ゼミ(行政学)、リサーチペイパー(各2単位)
- 行政学(4単位) by medせんせ
- アジア政治外交史(4単位)by hrnせんせ
- 法哲学(4単位)by tkkwせんせ
- 現代政治理論(2単位)by kwidせんせ
- 経済学基礎(4単位)by wtnb・kybせんせ
2022年度以前にとった10科目36単位についてのPart1の記事は↓
pitapanbibouroku.hatenablog.com
民法第4部(4単位)by kgyせんせ
【モチベ】
同性婚や夫婦同氏制、生殖補助医療などの議論が盛んになる中で、財産法とは異なり日本独自の発展をしてきた家族法を一市民として理解したいと思った。一切モチベのなかった財産法よりはモチベ高く学ぶことができた。
【内容】
親族編・相続編に分けて扱われ、条文解釈や判例よりは(それらも一定程度扱われたが)家族とは何か、婚姻とは何か、家族法はなぜ必要とされるか、嫡出推定制度の意義とは、相続法改正で配偶者居住権が必要とされた背景とは、といったような家族法の諸制度の意義について問い直すような講義内容であった
【学んだこと】
講義で何度も強調されたのが嫡出推定制度の意義である。子に対して確実に父母を確保する目的の嫡出推定制度が婚姻、ひいては家族法の基礎になっているとされ、家族法における婚姻は親子関係の創設を重視していることが繰り返し述べられた。そうであるとするならば、親子関係の発生を前提としない同性婚を異性間婚と同じ形で現行法に組み込むのは困難である。
そこから、「困難だから同性婚に法的保護を与えるのは無理だよね」となるか、「困難だから国会で議論を尽くし婚姻概念の更新や家族法の大幅改正が必要だよね」となるかは意見が分かれるものであるが、そのような現行家族法の在り方についての知識は家族制度にまつわる議論の前提として幅広く世間に共有されてもいいのではないかと思った。
会計学(2単位) by situせんせ
【モチベ】
簿記の勉強したことあるし数字扱うの得意やし持ち込み可やから楽単やろ~ くらい
【内容】
簿記の勉強でやるような勘定やB/S、P/L、原価計算や減価償却費あたりの話もある程度あったが、「学べば経理実務で計算できるようになる」というよりは、「会社法の決算公告制度と金商法のディスクロージャー制度の相違」のような、制度や概念の意義や目的、有用性について扱われ、試験でもそれらの論述が求められた。
【学んだこと】
棚卸資産を評価する際の後入先出法と先入先出法の違いについての話が面白く印象に残って覚えているが、それ以外は(持ち込み可の試験だったこともあり)ほとんど頭に残っていない
ゼミ(行政学)、リサーチペイパー(各2単位)
テーマについて詳述すると万が一指導教官の目に留まった場合身バレの危険があるので曖昧に書く。
ゼミは半分が院生だったので院生や教員のレベルの高さに触れた。英語論文や教科書、文献を読んで毎週課題提出しないといけなかったのでなかなかきつかった。
リサぺは指導教官が多忙で丁寧に指導する方ではなかったので、適切な研究手法の選択、資料検索、いかにして新規性のある研究にするか、いかにして(計量分析を使わない研究で)"科学的"な研究にするか、初めて書く論文の記法、などなど悩みながらほとんど手探りで(締め切り直前一週間でヒイヒイ言いながら)書き上げた。数百ページある英語の判例を複数読む経験は初めてだったが、体裁の整った文書作成や英語も含む論文などの資料調査の方法を身に着けた(?)ことは社会に出ても役に立つはず(と信じている)
行政学(4単位) by medせんせ
【モチベ】
最も実務に近い講義の一つであり、内容には関心はそれなりに強かった。しかし、30~40枚のみっちりスライド×26回の情報量が多く、早口で講義自体が疲れるので講義には出ていなかった。
【内容】
公共政策論、財務行政論、行政組織論、人事行政論に分けて論じられた。ジェンダー論や電子政府のトピックの扱いが一般の行政学より大きかったのは特徴的だっただろうか。特にジェンダーについてはそれなりに主張の強い教員であった
【学んだこと】
自分が愚かなのだが、試験日程と履修の関係で情報量が膨大なこの科目の勉強に十分な時間をかけられなかった。スライドと友人のまとめノートを流し読みして単位をとったように思う。イーストンの政治システム論、捕虜(capture)理論、NPM、限定合理性、政官関係などの議論が印象には残っている。実務に近いのに十分勉強しなかったことを悔いているので春休みの間に勉強しなおすつもりだ。
アジア政治外交史(4単位)by hrnせんせ
【モチベ】
語り口が明快かつ現代中国政治への関心が強かったので、それなりにモチベーションは高かった。講義内容とは無関係の現代中国政治事情の雑談(中共批判)が面白かった。
【内容】
古代から近現代までの中国史を扱いつつ、特に華夷思想・儒学・チベット仏教・経世儒学・事大思想・マルクスレーニン主義等の思想が現実の中国政治史(領域・民族・文化・外交・政変など)にどう影響したかにスポットが当てられていたのが特徴的だったように思う。講義の30分ほどを最近の中国事情雑談で潰すのも特徴的。
【学んだこと】
無機質に政治史を押さえた高校世界史と異なり、「なぜその行動をとったのか」が思想の面から解釈され記述されたのが、高校の歴史より納得しやすく面白かった。特に華夷思想が中国だけでなく周辺民族、ベトナムや朝鮮まで影響を及ぼし「天朝」秩序を形成し、現代の領土・民族・外交にも影響を与えているというのは中国の見え方が少し変わったように思う。
法哲学(4単位)by tkkwせんせ
【モチベ】
思想・哲学への関心は強いので最もモチベの高かった科目の一つ。ただ、試験日程の関係で十分な勉強はできなかった。
【内容】
標準的な(前任のinue大せんせに比べると)正義論の各トピックを扱う講義であったが、法概念論を扱わないのは時間の関係か?功利主義・リベラリズム・分配の正義論・所有権と自由・分配の平等・世代間の平等・家族・性・愛・差別…などなど、様々なトピックが扱われた。
【学んだこと】
標準的かつもともとある程度勉強していた分野だったので、新しく学んで強く印象に残ったことは少ないが、強いて言うなら(後述の現代政治理論と併せて)自分がリベラリズムよりリバタリアニズムに立場が近いのではないかと考え直すきっかけとなった。
モチベの割に勉強の時間をとれなかったのでこの科目も勉強しなおす必要がある。
現代政治理論(2単位)by kwidせんせ
【モチベ】
自分の中心関心である「政治思想」ど真ん中の講義だったので、4年間で最もモチベの高い講義の一つだったといえる。(講義に出席していたとは言ってない)
【内容】
自由民主主義、ヴェーバーとシュミット、全体主義批判(ポパー、ハイエク、バーリン、アレント)、マルクス主義、フーコー、ハーバーマス、分配の正義論(ロールズ、ノージック、サンデル)、民主主義(シュンペーター、ダール、熟議民主主義)、多文化主義といった思想が扱われた。
【学んだこと】
分配の正義論などは従前からある程度勉強していたので真新しいことはあまりなかったが、全体主義批判には詳しくなかったのでその議論に特に興味をひかれた。
私自身は合理主義-無神論の人間なので、シュミットの自由民主主義批判やアレントの全体主義批判は宗教再興のようにみえたが、詳しくないので改めて本を読もうと思った
このあたりの政治思想の話に関心がある方は過去のこちらの記事もどうぞ
pitapanbibouroku.hatenablog.com
経済学基礎(4単位)by wtnb・kybせんせ
【モチベ】
数学得意やし2年生の科目やから楽単やろ~ くらい
金融やマクロ経済について理解して経済ニュースや資産形成のことが分かるようになりたいというモチベもあった
【内容】
標準的なミクロ経済・マクロ経済の初学者向け講義だったように思う。担当教員の都合でマクロよりミクロの比重が大きかったか。
需要と供給、費用と供給、市場取引と資源配分、独占、市場の失敗、ゲーム理論、消費者行動、金融、有効需要、貨幣、財政政策と金融政策 などのトピックが扱われた。
【学んだこと】
政府支出を増やすとGDPにどのような影響を与えるかを数式で理解できたのが印象に残っている。
実社会の理解に役立つpracticalさ、数式やグラフを用いた理論の明快さが心地よく、改めて経済学部に進まなかったことを深く後悔した。