ぴたぱんの備忘録

物語と人が好き。本とか映画とかドラマとかゲーム実況とか漫画とかアニメとか。触れた直後の想いを残しときます。

輪るピングドラム

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※2020年1月15日追記 本ブログでこの記事が一番アクセス数が多いのに驚きました。「ピンドラ」「エヴァ」と検索するとこの記事がかなり上位にサジェストされるようです。本ブログ初期特有の恥ずかしい文体で書いていたので少々加筆修正しました。

 

みなさん、幾原邦彦監督をご存知でしょうか。

美少女戦士セーラームーン」「のだめカンタービレ」などで演出に携わり、監督作品としては「劇場版美少女戦士セーラームーンR」「少女革命ウテナ」「ユリ熊嵐」などがあります。

 幾原邦彦監督こそが新世紀エヴァンゲリオン渚カヲルのモデルとも噂されていますね。

エヴァ庵野秀明監督 と幾原監督が懇意にしていたのは事実で、幾原の影響を受けて庵野が演出に凝り始めたのも事実のようです。庵野抑うつ的傾向を大いに反映し、師弟に近い関係にある宮崎駿に「正直」と言わしめたエヴァにおいて、主人公の憧れの人のモデルを幾原邦彦にしたというのも頷ける話です。キャラも近いと言われればそんな気もしますし。

エヴァ残酷な天使のテーゼで「少年よ神話になれ」に対して、ピンドラの2期主題歌『少年よ我に帰れ』が応答であるという説もあります。

 

それほど、幾原邦彦と彼の創り出す世界は魅力的です。

 

そんな彼が原作・監督・演出を手がけた「輪るピングドラム」、通称ピンドラと出会ったのは私が20歳の時。哲学好きな友人から紹介されたらどハマりしました。瞬く間に、エヴァに次いで好きなアニメ第2位に据えました。

 

キャッチコピーは

「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」

「僕の愛も、君の罰も、すべて分け合うんだ」

生存戦略、しましょうか」

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内容をざっと説明すると、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をオマージュした、「家族」をテーマにした作品で、1995年の地下鉄サリン事件も念頭に据え、シュレーディンガーの猫やガンジーの「七つの社会的罪」や酒鬼薔薇聖斗や「かえるくん、東京を救う」なんかが散りばめられた、シスコンの兄2人と死んだり生き返ったりを繰り返す露出癖のある妹と、3+1匹のペンギンや変態ストーカー女やすりつぶしお姉さんや幽霊や黒ウサギやマリオや沢山のピクトドラムたちなんかがなんだかんだでピングドラムを手に入れる話です。

 

 

え???

 

全然わかんないって???

 

「愛の話なんだよ、なんでわかんないかなあ」

--1話より

 

前半11話くらいはシリアスもありながらドタバタ日常コメディのような感じですが、後半から一気にシリアスで重い展開になっていきます。

 

メタファーや精神世界や独特の演出が多く、初見では意味のわからない箇所もあるかと思います。そんな時はネットにいくらでも考察記事が転がっていますよ。

 

愛とは何か、家族とは何か、必要とされない子供達、加害者家族の背負う罪、遺された者たちの想い、そして、生存戦略

 

とりあえずこの記事を読んだ人は見てみましょう。そして幾原邦彦の世界に溺れてみてください

(2019年春から、幾原監督の新作「さらざんまい」が始まります!)

 

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重松清 「青い鳥」

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重松清 「青い鳥」 新潮文庫 2010年

 

最初の記事、何の作品の備忘録を書こうか。迷った時にふと手に取ったのは、机の横にいつも置いてあるこの本だった。

この本との出会いは11歳の時。姉が中学の読書感想文を書くために買って来た。姉は読書感想文を書いたっきり読んでいなかったが、私が惚れ込み、自分の本棚に移し、大学入学時に上京する際にも持っていき、今休学して地元に戻るときもこうして持って帰って来た。

いつだって、読むと穏やかな気持ちになれる。

 

村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った 生徒ーーー後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。   (裏表紙より)

 

この本は、表題作「青い鳥」を含む8つの物語を収録した短編集である。各物語には、吃音もちの非常勤国語講師である村内先生と、”ひとりぼっち”が一人ずつ登場する。

 

正直、ここまで読んで、「うげえ、道徳の授業とかでやるような説教くさい本だ」と思った方もいるかもしれない。一面では当たっている。

確かにこの本では自殺や場面緘黙症、交通事故やいじめ、教師をナイフで刺す事件、等シリアスな話題が 扱われている。

ただ一つ誤解しないで欲しいのは、村内先生は、生徒たちに「寄り添う」だけの存在だということだ。説教臭く何かを諭すようなことはない。ただ、「ひとりぼっち」たちに寄り添い、そっと導き、本人たちの苦悩と決断を見守り、そっと背中を押す存在だ。

 

国語の教師であるのに、授業に支障が出るレベルで吃音が激しく、そのため生徒からも影で馬鹿にされている村内先生に対して、生徒が尋ねる場面がある。

「先生・・・・・・なんで先生になったんですか?」

(中略)

少し考えてから、先生は言った。 

「俺みたいな先生が必要な生徒もいるから。先生には、いろんな先生がいた方がいいんだ。生徒にも、いろんな生徒がいるんだから。」

ーーーーーp44より

重松を知らない方のために断っておくと、ハンデを持った人物を主人公にしてお涙頂戴の作品にしようと思っているわけではない。重松自身が吃音持ちであり、「きよしこ」という作品でも重松は主人公を吃音を背負った人物にしている。

 

あとがきで重松は、村内先生のことを「ヒーロー」だと語っている。

派手に敵を打ち倒すようなかっこいい「ヒーロー」とはまた違った「ヒーロー」の形。

冴えないおっさんで、激しくどもっていて、それでも、生徒に一生懸命、優しく寄り添う村内先生。そんなヒーローと、子供の頃出会いたかったという。

 

この作品の魅力は、村内先生だけではない。各短編の語り手となる”ひとりぼっち”たち。それぞれに、人に言えない思いを抱え、反抗し、苦悩し、そして変わっていく。中学生ならではの純粋さと単純さが、大人になった僕には今では眩しく感じるほどだ。

 

この本を開くたびに、そんなひとりぼっちたちの純朴さに触れ、村内先生の優しさに触れ、心の奥に眠っている、温かな気持ちをそっと呼び起こすことができる。

だからこそ僕はこの本を、事あるごとに開く。

 

 

 

冷やし中華ぁ〜〜〜はぁじめました〜〜〜

こんにちは、ぴたぱんです。

 

はてブロやろうかなあ」

「いやでも俺続かないしなあ」

「続けようと思わなくて良くない?」

「いや、せっかくなら続けたいじゃん?」

「毎日死ぬほどtwitterでだらだら呟いてるから良くない?」

「いやー、twitterはTLを汚すのが申し訳なくて控えてるじゃん?」

「あれでも控えてる方なのかよ( ゚д゚)」

 

はてブロを書く可能性を検討してからはや1年、このような問答を延々と繰り返して来ました。

 

敬愛すべき我が姉曰く、

「有名人でもないのにブログとかつけてる人が人生楽しいわけないじゃん(笑)」

 

ふぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

そんな数々の内外からのネガティヴ意見を乗り越え、今回はてブロに参戦したのは、

「これはブログではない」

との境地に至ったためです。

 

 

は????こいつ何言ってんだ???中二病か???21歳にもなって???

 

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ルネ・マグリット「イメージの裏切り」(1929年)

Ceci n'est pas une pipe. (これはパイプではない)

ミシェル・フーコーが「これはパイプではない」というこの絵をきっかけとした思索書みたいなのを出してますね。奇遇にも今ちょうどフーコーの「監獄の誕生」を読んでいます。)

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ルネ・マグリット「テーブル・海・果物」(1927年)

 

厨二病か??????

 

ーーこれはゲームであっても、遊びではないーー

って某厨二病代表作国民的アニメの名言であったな!!

 

話が逸れましたが、ブログではなく冷やし中華作品の備忘録として始めようと思い立った次第です。ちょうど今社会科学・人文科学の古典を読むという一大プロジェクトの真っ最中でもあるので、それの要約して考えをまとめたりするのにも使おうかなっと思ってます。映画にも詳しくなるプロジェクトの最中ですしね。

 

主に、小説、学問系の本、映画、ドラマ、漫画、アニメ、ゲーム実況、ゲーム、アイドルなどの僕の雑多な趣味の中からポツポツ、書いてる瞬間の自分の思いを残すために書いていきたいと思います。

しばらくは、既に体験した作品・人の話を書いていくと思います。

 

これは備忘録です。