ぴたぱんの備忘録

物語と人が好き。本とか映画とかドラマとかゲーム実況とか漫画とかアニメとか。触れた直後の想いを残しときます。

よそものアレルギーな日本人

深夜テンションで書いてるのでおそらく話題があっちいったりこっちいったりします。

 

ここ半年くらい英語で(時々韓国語・フランス語でも)ネットサーフィンをかなりするようになった。昔から英語で洋画を見たりすることはあったが、「たまにはいっちょやるか〜」みたいな感じだった。今は触れているネット上の情報の3割くらいは英語だと思う。"勉強”の対象だった英語が、単純に情報を得るツールになってきた感じがある。

僕はいわゆる"西洋かぶれ”のようなタイプではないと思う。国際問題には東大生の中では関心が薄い方だろうし、英語の勉強も塾講で大学受験英語を教える以外ここ5年ほどほとんどしていない。高2で英検準一級とった時に少し二次対策して以降、前期教養の英語やフランス語の授業で少し英語を話す以外は英語を話すこともなかった。在学中にも留学生との交流もしなければ留学にも一度も行かなかった。理系の人はもちろん、経済学や社会学政治学、哲学等の文系学問をしていても英語の文献・論文を読むことも多いようだが、法学をしてきたので日本語ばかりで過ごしてきた。比較法のゼミに入っていた時はひたすら英語で刑法の教科書とか判例とか読んでたけど。あ、今期もアメリカ政治外交史はめちゃ英語文献読まされてるな。めんどくさい。単純にめんどくさい。怠惰な人間なので。東大生の中でも大学で英語に触れて来なかった人間だろう。入学時にはG2で上位4割ではあったはずなのに…(大昔)

 

そんな僕がなんで英語でネットサーフィンするようになったか。大学1年の頃からアクセスしたい論文やニュースを英語で読むことはちょこちょこあったが、日常で使い始めたのは本当にここ半年とかだ。一つは、youtubeの自動生成英語字幕が優秀なことに気づいたのがある。日本語の自動字幕生成の精度はゴミだが、英語は90%以上の精度で字幕が生成されるのでリスニング力がそんなにない僕でも字幕を補助にしてなんとなく聞ける。もう一つは、日本語でアクセスできる範囲の情報に飽きたということがある。twitteryoutubeも小説も漫画もアニメも映画もゲームも日本語でアクセスできるものは少し飽きてしまった。去年くらいからsteamでゲームをやるようになったのも大きいかもしれない。steamは基本英語だし。英語が娯楽の手段になってきた。

英語でネットサーフィンしていると、日本の学問と海外の学問でやっている内容が大差無いことに感動を覚える。当たり前だけど。数学も、地理も、世界史も、物理も、化学も、生物も、地学も、僕が高校までで学んだことと同じようなことをどの国の人も(少なくとも英語圏、特に僕がよく見るアメリカイギリスインドあたりでは)学んで知っていた。

 

この3つの動画、数千万回再生数あってクオリティも高いので暇なときに見て欲しい。

www.youtube.com

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大学1・2年のころはK-POP追っかけでよく韓国語ネットサーフィンしてたが(今は割と忘れたけど)、日本と韓国が学校文化や遊びや言葉に共通点があまりに多いのに驚いたものだ。日本から輸入している文化も多くあるだろう。日本軍占領下に影響を受けた部分もあるのかもしれない。

メディアではその国の特色や日本との差異が取り上げられがちだが、人間性も文化も共通知も結構どの国の人も日本人とあまり変わらないなと感じる。

 

前置きが長くなった。なんでこの記事の筆を執ったか。日本のracism、xenophobia (外国人嫌い)についてyoutubeでよく海外の人が話題にしているのを目にするようになったからだ。特に最近のゴーン高飛びについて、西川前社長にも嫌疑はかけられていたのに彼は捕まっていない、ゴーンだけが捕まっている、これは日本のracismだ、みたいなコメントをさっき見たからだ。

 

日本が単一民族国家なんていうとお叱りを受けるが、日本に住んでいる人の97~98%は日本国籍だ。もちろん日本に帰化した人もいるし、アイヌ琉球にルーツをもつ人もいる。まあとにかく、日本、特に地方にいれば日本人とだけ接して一生を終えることもあるし、英語の読む書く話す聞くができなくても一生を終えられる。現に僕は外国籍の連絡を取る友人知人が一人もいない。東京や大阪、京都などの大都市にいれば話は変わってくるが、そこは置いておこう。

 

日本は翻訳が盛んで必要最低限の情報に日本語で十分アクセスできるというのもある。

togetter.com

もちろん大学で研究をしようと思ったら英語で論文を読むスキルは多くの学問分野で必須ではあるが、教科書や学術書、新書、文学、ニュース記事に至るまで、日本語だけでも大衆が普段の情報蒐集に困ることはそんなにない。

 

日本人はとにかく外国人に慣れていない。道を尋ねられたら笑顔で答えるだろうが、"ヨソモノ""ガイジン"と思っている人も多いだろう。

おそらく、日本で外国人や人種差別が問題になったのはここ数十年だろうし、racismの文化も浅ければracismを非難する文化も無い。その国の訛りの英語をからかえば"racist joke"と呼ぶ文化は多民族国家ではあるだろうが日本にその文化はない。平気で中国人の日本語訛りや欧米圏の人の日本語訛りを一般の人もお笑い芸人もからかう。悪気なく「ポケモン ブラック/ホワイト」なんて出して批判を受けたりする。

そもそも、racismが人種差別、黒人/白人/黄色人種 等のdiscriminationを指すならば、日本人のこれはracismではない。日本人は日本人でなければ黄色人種でも"よそもの"として扱う。xenophobiaの方が正しい表現だろう。

別に外国人でなくとも日本人はよそものが嫌いだ、多数派と違う存在が嫌いだ。同調圧力の空気を読む社会である。いいとも悪いとも言わないでおく。日本人に限らず、中国韓国といった東アジアはその傾向があるように思う。

 

日本人に限らず、よそものが嫌いな人は世界中にいる。MAKE AMERICA GREAT AGAINとかいってるおっちゃんとその支持層なんか最たるものだ。ネイティブアメリカンにとっては彼らWASPこそよそものだろうに。ドイツでも北欧でも移民排斥はあるし、イギリスもそうだ。嫌いあってるけどみんな似通ってる。

 

欧米に留学等に行くと、黄色人種としてちょっとした差別を体験する、みたいな話もよく聞けば、中国人韓国人と結局仲良くなってアジア人グループで過ごす、みたいな話もよく聞く。僕が上京してからは九州方言の人はみんな友達、みたいに思うようになったのと似ているだろうか。なんなら「〜けん」を使うからと広島あたりまで親近感を感じる。ある中国人が「中国の文化は三分の一が自国文化、三分の一が韓国由来、三分の一が日本由来だ」と言っていたのを聞いたことがある。真偽は中国文化に疎いのでわからんが、勤勉、同調圧力が強い、uniqueであろうとしない、などの点は東アジア共通だろうと思う。世界的に見ればその三国は文化も国民性もとても似ているものだ。嫌韓嫌中はやめてほしい。ヘイトスピーチも。新大久保あたりの日本人による嫌韓落書きを見ていると胸が痛くなる。

 

nationalismとは心理学的には自己愛が拡大された形だと言うのが大学2年で得た知見だ。日本えらい日本人すごい番組も数年前多かった。今も多いのかもしれんがテレビ見ないのでわからん。そんなすごい集団に属している自分えらい、だ。

ナショナリズム共同体主義も排他的でなければいいものになり得ると思っている。地域社会も希薄化して核家族化も進んで個人主義が浸透したいま、国家として相互扶助するためには「同じ日本人だろ、助け合って生きていこうぜ」的な精神が必要なのかもしれない。

 

僕は一生日本で暮らすつもりだ。味覚が日本食を一番美味しいと感じるようにチューニングされているし、日本人の異性に魅力を感じて日本人と仲良くなるようにチューニングされている。高1で夏休み一ヶ月イギリスで過ごしたが食堂やコンビニの食べ物が恐ろしく口に合わずあまりいい思い出がない。旅行や留学に仮に行くならスペインやイタリアやカナダとかになるだろう。飯は日本人の口に合うところがいい。治安のいい日本に慣れているし、日本のコンビニや公共交通機関の利便性に慣れきっている。日本語・日本文化ネイティヴであれば国際的に見ても日本は非常に暮らしやすい国ではなかろうか。労働環境さえ改善されれば。東京に4年いて実家に九州に帰りたいと言っているような奴が海外でやっていけるはずがない。

 

日本はこれから国際化するのだろうか。少子高齢化もそうだが、産業の弱さ的に国際的な地位はどんどん落ちていくように思う。自動車産業じゃもうやっていけない。日本でIT頑張ってGAFAに並べるような企業が出てくれば違うだろうに、日本のIT人材は給料のいい中国やアメリカに流れていく。日本は取り残されていくばかりだ。僕には関係ないから知ったこっちゃないが。

 

僕は東京に住み始めたのが4年前だから比較できないが、ここ10年とかで東京で目にする外国人がとても増えたと聞く。東京のコンビニバイトはほとんど外国の人だし、中華系・カレー系の店もとても多い。おそらく、学生の目につかないオフィスビルにも工場にも多くの外国人労働者がいるだろう。入管法や外国人雇用についてはかなり法律的に危うい問題が多い。最低賃金を大きく割った労働条件で働いている人や、不法就労、失踪、不法滞在、入管収容施設の長期拘束と病気や自殺… 恥ずかしながら、この辺の問題を知って関心を満ち始めたのは一年前くらいだ。劣悪な労働条件で外国人労働者に働かせて日本社会が成り立っているとしたら、それは奴隷制以外のなにものでもない。もっとこの辺については詳しく勉強しなければと思っている。

 

日本はもう、開国して160年以上が経っている。そろそろ国際社会で一匹狼を気取るのを日本政府も日本人一人一人もやめたほうがいいのかもしれない。